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2019/11/21 02:01

長野のとある神社にて。


とても立派な栃の木です。


重心があまりよくなく 自分自身を支えるだけで精一杯に感じますが それでも
光を浴び その幸福を全身で表現しているような姿。


逞しく生きる栃の木です。
でもよく見ると 所々に出来た瘤や 枝の滑らかなカーブ。
どこか女体のようで しなやかな身体の女性が踊っているような印象を受けました。
全体を包む 力強い生命力の中に流れるしなやかさ。 



栃のそういった姿は 木(=木材)にもよく表れているなぁと思います。

栃材は 白くて柔らかく きめ細かな繊維で 一言で言えば「繊細」。その栃材には「杢(もく)」と呼ばれる陽炎や波のような模様が稀に現れます。
杢とは 木目とは異なって入った模様のことをいい 丁寧に磨いてゆくと 模様は立体的に浮き上がったように現れます。揺らすと光が模様に沿って流れてゆきます。
杢の揺らめきを見ていると 何か神秘的な力が宿っているかのように見えるのです。

実際に それはその樹の生命エネルギーや魂のようなものを表してもいるので 私たちはそういった樹の生命エネルギーの記憶を 無意識で捉えているのかもしれませんね。


杢が現れるのには その樹が育った気候や環境が大きく影響しているといいます。
気候や環境 また外部的な圧力にも適応させる為に 自らバランスを取ることで 内部の細胞(繊維)にねじれなどの癖が現れ それが「杢」として現れます。
根に近い部位や枝が密集している部位 複雑に曲がったり交差しているような部位にも出易いといわれます。


外側からは見れない樹の内部。
それはその樹が育った環境や気候 外部との関係性等を映し出す鏡であり 樹そのものの生命力や叡智 内面性でもあるのでは。

また 内部バランスが杢の様に繊維に現れるものもあれば 屋久杉などの様に 自ら内部に樹脂を生み出し 高温多湿という過酷な環境やシロアリなどの害虫から身を護るということもあり 樹種やまた個体によっても様々ですが「木」には其々「樹」の生き様や生きた記憶が残されているのです。



「木」と「樹」が繋がってゆくと 其々の見え方が変わってゆくので とてもおもしろいです🌱


栃の木を用いた作品はコチラ





余談ですが・・
その神社は 旅先で偶然辿り着いた処で
人の手が随分と遠のいていて 地元の人からも忘れ去られてしまった雰囲気でした。
寂れ朽ちていった人工物は 一見近寄りがたいものがあります。でも その地のエネルギーや豊かさといったものは 樹々がちゃんと語っている。
目の前の樹木の姿を見てゆくと「場」というものがなんとなく伝わってくるので「此処は大丈夫」なんて思ったりもします。

(人間が遠のいてゆき 寧ろ 伸び伸び生きているのかもしれません・・笑)


初めて入る神社や 初めて入る場所などでは 其処の樹木をよく見ると良いかもしれません🌳🌲




そうそう。。

道中 かわいい精霊ちゃんにも逢いました✨👁👁✨