2018/03/03 03:00


英名:ラブラドライト/Labradorite

和名:曹灰長石(そうかいちょうせき)
産地:カナダ, マダガスカル,  インド, フィンランド等

オーロラの光を封じ込めたような 美しい輝きを放つラブラドライト。
宇宙の叡智を秘めたその結晶は 見る人に様々な言葉を語りかけてくれます。
神秘の輝きと無限なるインスピレーションを齎すラブラドライト。
今回は そんな謎めいた魅惑の石 ラブラドライトについてです。

✿ラブラドライトの由来✿

1770年 カナダのラブラドル沿岸セント・ポール島の海辺で七色に光り輝く石が発見されました。
「ラブラドライト」はその地名に由来します。
神秘の光が宿るこの石の第一発見者は 聖職者だったそうです。
ちなみに ラブラドールレトリバーのわんちゃんも此処が出身です。

輝きの秘密✿

ムーンストーン(月長石)と同じ長石の一種であり「曹灰長石(そうかいちょうせき)」 と区別されます。
光をあてると特有の虹の輝きを放ち この光の効果を「ラブラドル効果」や「ラブラドレッセンス」と呼んでいます。

この輝きの仕組みは 薄い板状の結晶が幾重にも重なりあって出来たこの結晶構造にあります。
この幾重にも重なる層に光が差し込み屈折する事で 様々な色を反射させています。その反射が石の結晶内部で次から次へと繰り返される事によってあのような光の動きが見られるのです。
よって ラブラドライトの光(色)は 石そのものの色素ではなく 光の反射と干渉によって引き起こされる現象です。
石を粉末にしても ラピスやマラカイトの様に色の粉は出ません。
ということは・・・色が劣化するということもないのです。

✿スペクトロライト✿

ラブラドライトの一種に「スペクトロライト」と呼ばれるものがあります。
フィンランドのユレマ地方で採れる ラブラドライトの中でも一際輝きの強いものをそう呼んでいます。
両者の異なる点は 産地と輝き, 母岩の色と結晶の細かさが挙げられます。

 ラブラドライト
  産地:主にカナダやマダガスカル, インド
  母岩の色:グレー
  結晶層の密度が低い

 スペクトロライト
  産地:フィンランドのユレマ地方のみ(産地限定)
  母岩の色:ガラス質の黒
  結晶層の密度が高い

左半分:スペクトロライト
右半分:ラブラドライト

スペクトロライトは母岩が黒であることから 輝きが増して見えること。
そして結晶層が ラブラドライトと比べ非常に緻密なことが 強い輝きを放つ要因と考えられます。


✿ホワイトラブラドライト✿

ラブラドライトの一種に「ホワイトラブラドライト」と呼ばれるものがあります。
ラブラドライトの地の色がグレー色なのに対し ホワイトラブラドライトは
白~透明に近く ブルーや虹色のラブラドレッセンスを放ちます。

ホワイトラブラドライトは 見た目がムーンストーンに似ていることから 
現在市場では「ブルームーンストーン」や「レインボームーンストーン」といった
流通名で販売されている事が殆どで「ホワイトラブラドライト」と正しく表記される事は稀なのが現状です。
ムーンストーンもラブラドライトも同じ長石の一種ですが 両者を並べて比較すると その輝きは全く異なります。

上:ホワイトラブラドライト
下:ムーンストーン

ラブラドライトは 結晶層の部分から ブルーやレインボーの光が見られますが
ムーンストーンは内側からぼんやりと光り輝く感じ。

因みに「ブルームーンストーン」或いは「ロイヤルブルームーンストーン」と呼ばれる
過去実際に採掘されていた 最高級の正式なムーンストーンがあります。
ですがそれらの鉱山は既に閉山していて 現在市場に出回る事は極めて稀であり
もし仮に販売されていたとしても かなりの高額であると云われています。

✿詩人 エマーソンの言葉

アメリカの詩人エマーソンは ラブラドライトを織り込んで
次の様な詩を残しています。

「人生は 一片のラブラドライトの如し。
 その光輝は ある角度にいたりて初めて発揮される」